抜歯(思い出)
2023年7月8日
親知らず抜歯のビフォーアフターです。
周囲組織を限りなく傷つけないように、そして短時間で抜く。
大先輩に教えられたことを今も忘れずに行っています。
その先輩は『ホンモノ』でした。
先輩の手技を後ろで見ていて、背筋に氷が走ったかと思うぐらいの衝撃を感じたのを覚えています。
この人の腕が欲しい。
衝撃的に感じた瞬間でした。
腕を得るには、その技術を得るには大変でした。
とうじ30歳の僕は、毎日殴られました。w
本気のやーーーつです。
抜けなくて殴られ、時間がかかりけられ、悔しいから泣く。
20歳そこそこの衛生士さんに『藤垣先生泣いてますよー』とかからかわれ。
そんな毎日を過ごしていました。
しかし『この技術欲しい』『盗む』その一心で抜歯をし続ける。
『100本抜いてから出直せ』
『スピードが遅い』(おそいと腫れる可能性が高い、出血も多くなる、患者さんにつらい思いをさせる。)
毎日、悔しくて涙が出ていました。
大先輩が退職するとき。
マクドナルドに呼び出されました。
すげーー怖かったのを覚えています。
体育館の裏かよ?ぐらいなんて軽いレベルで、ビビり上げてました。
『お前が最後の弟子だよ。お前が無理と思ったらそれが正解だよ。大学に送っても症例検討会レベルだよ。』
めちゃ泣きました。
30歳後半のおっさんが、マクドナルドで泣いています。
えづくぐらい泣きました。
なんか遠くから見ると、ゲイの別れ話しみたいと言われました。
そんなわけで僕は今日も親知らずを抜いています。
カラスは白いんだよ藤垣君。
だから探してきてと言われたら断れません。