アメリカと日本の歯科医療事情の違い
2026年1月23日
海外で歯が痛くなるといくらかかる?

アメリカで歯が痛くなった場合、日本の5〜10倍以上の治療費がかかる可能性があります。
はじめに
海外旅行や海外出張の機会が増える中、「もし海外で歯が痛くなったらどうなるのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
特にアメリカでは、日本と歯科医療制度が大きく異なり、治療費の高さに驚かれるケースが少なくありません。
本記事では、歯科医師の立場から、アメリカと日本の歯科医療事情の違いと、海外渡航前に知っておいていただきたいポイントを一般論として解説します。
日本とアメリカの歯科治療費比較
| 治療内容 | 日本(保険3割負担) | アメリカ(自費) |
|---|---|---|
| 定期検診+クリーニング | 約3,000円 | 15,000〜37,000円 |
| 虫歯治療(レジン充填) | 約3,000〜5,000円 | 15,000〜37,000円 |
| 根管治療 | 約10,000〜15,000円 | 約150,000円 |
| クラウン(被せ物) | 約8,000〜12,000円 | 約120,000円 |
| 親知らず抜歯(複数本) | 約10,000〜20,000円 | 約60,000〜100,000円 |
※1ドル=150円換算の目安
注意:根管治療と被せ物を組み合わせた場合、日本では2〜3万円程度の治療が、アメリカでは20万円を超えることもあります。
なぜアメリカの歯科治療費は高額なのか
医療制度の根本的な違い
日本の特徴
- 国民皆保険制度
- 自己負担は原則3割
- 全国統一の診療報酬
アメリカの特徴
- 民間保険中心の制度
- 歯科保険は医療保険と別契約
- 保険未加入の場合は全額自己負担
歯科保険の実情
アメリカでは歯科保険に加入していても、
- 年間補償額に上限がある
- 自己負担割合が高い
- すべての治療が対象ではない
といった制限があり、結果として高額な自己負担が発生しやすくなっています。
海外滞在中に歯が痛くなった場合のリスク
- 高額な治療費負担
- 言語の壁による説明不足
- 海外旅行保険が適用されないケース
- 滞在・移動スケジュールへの影響
応急的にできる対応
- 鎮痛剤(アセトアミノフェン・イブプロフェン系)の服用
- 頬の外側から冷却
- 温塩水でのうがい
- 刺激の強い飲食物を避ける
海外旅行保険と歯科治療の注意点
多くの海外旅行保険では、虫歯や歯周病治療は補償対象外です。
- 事故による外傷は補償対象となる場合あり
- 補償上限は10万円前後
- 自己負担が発生するケースも多い
「保険に入っているから大丈夫」と思い込まず、補償内容の事前確認が重要です。
海外渡航前に歯科検診を受ける重要性
海外渡航の1ヶ月前までに歯科検診を受けることをおすすめします。
チェックすべきポイント
- 虫歯の有無
- 詰め物・被せ物の脱落リスク
- 親知らずの炎症リスク
- 歯周病の進行状況
- 治療途中の歯がないか
日米に見る歯科医療文化の違い
アメリカ
- 治療費が高いため予防意識が高い
- 定期検診が生活習慣として定着
- 審美歯科への関心が高い
日本
- 保険制度により受診しやすい
- 高度な歯科治療を低負担で受けられる
- 予防から治療まで一貫したケアが可能
まとめ
- アメリカの歯科治療費は日本の数倍〜10倍以上
- 海外旅行保険では歯科治療が対象外になることが多い
- 海外渡航前の歯科検診が最大の予防策
海外での思わぬトラブルを避けるためにも、出発前の歯科チェックをおすすめします。


